脱毛の柔軟性
それよりも神田あたりを住宅街として開発するということに、もっと公民協力して取り組んだらどうかと思う。
都心回帰の傾向が見られることから考えても、需要は見込める。
神田にはまだ下町情緒が残っている。
それをうまくアレンジして情緒溢れる住宅をつくれば、住みたいという人はかなりいると思う。
そしてそれが、神田の顔にもなり得るだろう。
(『「丸の内」経済学」F著、二年、PEP研究所、二ハ三1一六四ページ)どうして、神田に職住近接のオフィス街ができてしまったら、丸の内・大手町に対する強力なライバルになるということを真剣に心配しないのだろうか?いまや先端産業の成長企業にとって、神田は「大手町の金融」「日本橋の問屋機能」「神保町の知識」「秋葉原の部品・部材ノウハウ」すべてに自転車で四1五分で行ける距離として、丸の内・大手町より人気のある地域になっている。
神田がいままでのところ、そうした先端企業の立地をあひまり惹きつけていないのは、まさに人口が減少しすぎて「生鮮食料品や身の回り品」を買い回りする施設がないからだ。
とくに勤務時間なんであってないような技術開発型企業の研究者の中では、夜になるとほとんど日用品は何も買えなくなってしまうという欠点さえなかったら、じつは神田あたりが理想的な立地だという人もけつこう多い。
そして、こうした企業にとっては、神田の中小規模の雑居ピルでも、床面積は十分だろう。
だから、神田で居住系をうまく組み込んだ大型再開発事業が二、三件成すれば、東京東地区の代表になるのは丸の内ではなくて神田かもしれない。
でも、神田で現在推進中、あるいは構想が発表されている再開発事業を見渡すと、職住近接を実現できたときのこの地域の高いポテンシャルを、きちんと理解しているとは思えない企画ばかりだ。
だから、丸の内が東地区代表の座を神田に脅かされるということは、まあ当面は心配しなくてもいいかもしれなv176東で"しかし、日本橋・京橋地区となると、話はがらっと変わってくる。
都市再開発なんでいう過去の実績で見ると失敗の連続だった事業に望みを託さないでも、地価下落そのものが職住近接のために理想的な環境を準備してくれたからだ。
中央区でバブルのピークだった一九九年ごろ供給されていた新築分譲マンションの平均価格は、八六万j八底七万円だった。
これが、一九九九年には四五万ーj 四六万円くらいまで下がっている。
平均的サラリーマ同ンにはまだちょっと手の届かない金額だが、大企業の中堅高管理職や、中小企業でも技術開発重視の成長企業の専門職社員なら、無理をしないでも買える金額だ。
口実際に、この二、三年で中央区に住む人の数は、急上昇しているに違いない。
土日は言うまでもなく、平日の夕暮東れ時に自転車で日本橋高島屋や、日本橋三越に買いものに来る家庭の主婦をしょっちゅう見かけるようになったから何喝ぜだ。
そういうふうに考えると、日本橋の東半分から新川あたりに家があって、職場も日本橋の西半分あたりというのは、けつこう理想的な職住近接生活ができるってことに気がつく。
日本橋のいいところは、根っからの商人の街だということだ。
だから、たとえば根津や千駄木のように、まるっきり客層の変化に対応する気もなく、ただ客が自分の屈には来てくれないと不平を言っているだけというような商屈は、物販店でも飲食店でもめったにない。
地味でも、それなりに時代の変化には対応する屈が多い。
そして、東急百貨店日本橋店が店仕舞いをしてしまったのでちょっと平均値も下がってしまったはずだが、じつは日本橋界隈は小売店一軒当たりの床面積では東京中でも一、二を争うほど大型店の多い地域うまり買い回りの利便性は案外ある地域なのだ。
いま日本橋近辺では、だいたい一ブロックに一棟ぐらいの割合で、昔から立っていたペンシルピル二、三棟を中型オフィスビル一棟に建て替えるプロジェクトが進行している。
そして、分譲マンションの供給もこれから四、五年ぐらいは意外に底堅く続きそうだ。
そうなると、東京の東側で新興企業の立地としてもてはやされるのは、意外に日本橋・京橋地区かもしれない。
丸の内・大手町は「居住環境の整備は神田や日本橋にまかせておいて、自分はあくまでもオフィス街として純化する」なんてことを考えていると、職住近接の魅力で神田や日本橋に足元をすくわれてしまうかもしれない。
この結論は、いまだにオフィス賃料というのは伝統や格式の織りなすプレステージのピラミッドだと信じている人たちには、ショッキングな発見かもしれない。
だが、経済の実勢は、固定観念にとらわれた人たちの思い込みなどは歯牙にもかけずにどんどん進んでいく。
いまはまだ、入居率こそ新都心の渋谷や新宿のほうが堅調だが、賃料水準では旧都心、丸の内・大手町のほうがかなり大きなリードを保っている。
しかし、いつまでこのいびつな賃料形成が続くものだろうか?ぼくの感じでは、新築オフィスピルの大量供給がある二三年あたりから、もう少し地域ごとの勢いの差が素直に反映された賃料が支配的になるはずだ。
三菱地所主導の丸の内地区再開発事業が、この地域間競争の中で優位を保てるかどうかは、二つのポイントで見きわめをつけることができるだろう。
一つは、単なる地下道ではなく地下街を丸の内・大手町地区に建設できるかどうか、ということだ。
そして、もう一つは、その地下街の中に最低一軒は生鮮食料品や身の回り品を気軽に買えるスーパーか、あまり体面にこだわらないデパートを誘致できるかということだ。
それができれば、丸の内・大手町は間違いなく東京東地区の代表として、新宿、渋谷、品川との地域開競争に打って出ることができるだろう。
しかし、そんなこともできなければ、丸の内ではなく、日本橋か神田が東地区代表になこうとうむけいるということも、それほど荒唐無稽なことではない。
だが、どの地域が東京東地区代表になって地区大会決勝に勝ち残るかにかかわらず、今後の東京で開発のポテンシャルが高いのは、西側だ。
そして、三次産業就業者比率で見ると、将来さらに経済全体の三次産業化が進むにつれてますます有利になるのは、中央線沿いの都下、武蔵野市、小金井市、国立市、立川市ということになる。
もうひとつ、二三区内では、男っぽい街の多い北側は敬遠されて、女っぽい街の多い南側がもっと人を集めるようになる。
「それにしちゃ中央線沿線の盛り場は、どことなく古くて貧乏臭いじゃないか」というような反論が聞こえてくる。
そう、いまの中央線沿線は吉祥寺を例外として、所帯やつれした中年男のイメージが強い。
吉祥寺は文化圏としては中央線沿線というよりも井の頭線のターミナルという印象のほうが強い駅だから、例外なくと言ったほうがいいかもしれない。
その理由は簡単だ。
下の図で分かるように、中央線沿線むの駅前繁華街のほとんどが、一九五01六年に生まれた花街だからだ。
高つまり、この辺の駅は軒並み、いまが四01五代に差町しかかった分別盛りというわけだ。
多少くたびれた感があ川るのはしょうがないだろう。
しかし、日本の都市は寿七圏年で生まれ変わることから考えれば、それは逆に二二東年あたりになると代替わりの時期になるということだ。
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